判決文

第39回模擬裁判 判決

    
平成23年(わ)第315号

判    決

  本籍 花笠県紅花市桜町三丁目6番3号
  住所 花笠県紅花市桜町三丁目6番3号
  職業 無職

高 木 拓 也
平成7年7月7日生

上記の者に対する傷害致死被告事件について、
当裁判所は、検察官加藤のぞみ並びに国選弁護人桜井怜一出席の上審理し、次のとおり判決する。


主 文

被告人を短期2年、長期4年の懲役刑に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。


理 由

( 犯罪事実 )
  被告人は、平成23年7月25日午後4時頃、岡崎良太(16歳)に対し、その腹部に組み付き、同人を歩道橋の階段から転落させる暴行を加え、頭腔内出血等の傷害を負わせ、その結果、搬送先の病院で前記傷害による外傷性くも膜下出血により死亡させたものである。

( 証拠の標目 ) 省略

( 法令の適用 ) 省略

( 量刑の理由 )

1.本件は、被告人が、歩道橋において、小学校の頃いじめを受けた同級生を歩道橋の階段から転落させて傷害を負わせ、死亡させたという傷害致死1件の事案である。
本件の量刑に当たっては、特に次の事情を考慮して判断した。

2.量刑を重くすべき事情
(1) 行為態様
  被告人の行為についてみると、被告人は、場所によっては転落の危険がある歩道橋上で、その場から立ち去ろうとしていた被害者に対して背後から組み付き、揉み合いになり、被害者を階段から転落させる暴行を加えたものであり、その行為態様は危険なものである。

(2) 経緯、動機
  犯行に至る動機、経緯についてみると、被告人は犯行当日に学校から返却された試験の結果が芳しくないことから、小学校の頃母親から受けていた虐待の記憶を思い出し、精神的に不安定な状況であった。それに加えて、帰宅途中で小学校の頃被告人をいじめていたクラスメイトから、被告人が被害者らにどのようにいじめられていたかを話され、被害者が去り際に、被告人がいじめを受けていた際につけられていた侮蔑的なあだ名で呼んだことで激昂し、上記の暴行に及んだというものである。
  本件犯行は被害者らが被告人を呼びとめて、被告人の触れられたくない過去について馬鹿にすることがきっかけとなっており、被害者に本件を誘発したという側面があることは否めないものの,これをもって被害者への暴行が正当化されるものではない。

(3) 結果
  本件犯行により生じた被害者の死亡という結果は正に重大である。若く未来ある一人息子を突然亡くした被害者遺族の心痛は筆舌に尽くしがたい。被害者遺族の被告人への処罰感情も非常に強く、そのことも重く受け止めなければならない。

3.被告人のために酌むことのできる事情
(1) 被告人は、逮捕後は素直に事実を認め、本件を悔い、反省を深めていることが認められ、公判廷でも、一生をかけて罪を償っていく旨述べており、そうした被告人の態度からは,自分の起こした事件の重大性を認識し,日々反省を深めている様子がうかがわれる。

(2) 被告人には前歴がなく、母親は被告人への虐待の事実を認め、心を入れ替えて息子と共に被害者遺族に償いをし、被告人の今後の監督をして社会復帰のため努力していく旨述べているなどの酌むことができる事情も認められる。

4.結論
  以上のとおり、行為態様の危険性、生じた結果の重大性等に照らせば、被告人の刑事責任は重大であるが、上記のとおり、被告人のために酌むことができる事情が認められることを考慮し、主文の刑に処することが相当である。
  裁判員6名とともに審理し、評議を尽くした結論は上記のとおりである。


平成23年12月9日
花笠地方裁判所刑事第二部

 裁判長 裁判官 渡 辺 邦 彦

       裁判官 加 賀 絵 里 華

       裁判官 三 宅 勇
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